複雑なBtoB現場の業務効率化!Copilotで社内ナレッジAIを即日作る実践術

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BtoB製造業や産業機器業界における営業・技術の現場は、常に「複雑さ」との戦いです。
顧客ごとに異なる仕様、現場ごとの特注対応、そして複雑な商流…。
長年の操業で社内に蓄積されたデータやノウハウは膨大ですが、それを必要な時に素早く引き出すのは容易ではありません。

「過去の類似事例を探すだけで1時間が過ぎてしまった」

「ベテラン社員しか知らないクレーム対策や仕様決定のコツがある」

このような課題を解決するため、自社データを読み込ませた「業務支援AI」の構築に挑戦しました。

結論から言うと、Microsoft 365 Copilot(Copilot Studio)のAIエージェント機能を活用することで、なんとわずか4時間で実用レベルの専用AIを完成させることができました。

今回は、特注対応が多いBtoB現場でAIがどのように活躍するのか、そして具体的にどう構築したのかのステップを詳しく解説します。

製品仕様が標準化しづらい業界では、過去の納入実績やトラブル事例が最大の資産であり、同時に最大のボトルネックになります。今回構築した業務支援AIは、以下のような高度な問い合わせに対して即座に正確な回答を返してくれます。

  • 選定・見積もり支援
    顧客からの依頼条件を入力するだけで、過去事例から最適な機種や仕様を提案し、仕様に応じた価格や納期を出力する。
  • トラブル・クレーム対策
    現場の状況や不具合症状を入力すると、過去のクレームデータベースから推測される原因と具体的な対処方法を提示する。
  • アフター提案の自動抽出
    「訪問予定の顧客に対して、納入から5年・10年・15年経過した機器をリストアップし、点検や更新提案の切り口をまとめる」といった指示に一瞬で対応する。例えば、5年経過なら点検を推奨し、10年経過なら部品交換を提案、15年経過なら後継機を提案するなどです。
  • 新規開拓の事前リサーチ
    訪問先のWeb情報を踏まえ、自社のカタログや提案資料から最適なPR素材をピックアップする。

これまで熟練者の経験や手作業の検索に頼っていた作業が、対話形式の問い合わせだけで完結するようになります。
これは一例ですが、他にも様々なことができると思います。

特別なプログラミング知識を使わずに、社内データを読み込ませたAIエージェントを構築する手順は非常にシンプルです。

  • ステップ1:プロンプト(指示文)の壁打ち作成
    AIエージェント作成画面に入る前に、通常のAIチャットと「どんな役割を果たさせたいか」を対話(壁打ち)しながら整理します。目的や回答のトーンを明確にしたプロンプトを事前に生成しておくことが成功の鍵です。
  • ステップ2:SharePoint上のデータフォルダ指定
    AIが参照するデータベースとして、SharePoint内に専用フォルダを作成します。その中に「納入実績」「クレーム」「価格」「カタログ」といったカテゴリ別のフォルダを設け、Excel、Word、PDFなどの既存ファイルを格納してAIに参照紐付けを行います。

    ここまでが事前準備す。そして次からがいよいよAIエージェント作成画面に入っていきます。
  • ステップ3:AIエージェントの新規作成
    Copilotの画面から「新しいAIエージェントを作る」を選択し、タイトルと説明文、そしてステップ1で作成したプロンプトを指示文として入力します。
  • ステップ4:テストと微調整
    よくある質問(FAQ)を投げかけ、意図通りの回答が得られるか確認します。データ精度や検索漏れに応じて指示文やファイル構造を修正します。

Point
私はステップ2のデータを準備するのに一番時間がかかりました。3時間です!
実質AIを使っていたのは1時間程度でした。
社内に眠るデータがある程度整理されていて、データ量が少なければこれほど時間がかかることはありませんが、データが整理されずあちこちに散在しているとそれを拾い集めるだけでも非常に時間がかかります。さらにデータ量が多いとデータを所定のフォルダーに移動させるのに非常に時間がかかります。

自社データ参照型のAI(RAG)を運用する際、最も重要なのは「AIが読み取りやすいデータ構造」を整えることです。

  • リレーション用の共通キー(製造番号など)を持たせる
    機器の仕様、価格、トラブル履歴など、異なるファイルに分散している情報を結びつけるため、製造番号や顧客コードといった一意のID(キー)を各データ内に記載しておくことが重要です。
  • ファイル名と検索キーワードの整合性を保つ
    価格情報を探しているのに、ファイル名が「無題の文書_v2.xlsx」といった名前ではAIが正しく認識できません。「価格表_2026年度_製品シリーズA.xlsx」のように、コンテンツの中身を明確に表す命名規則徹底が精度向上のコツです。

「社内データの整理やAI構築には何ヶ月もかかる」という従来の常識は、近年のAIエージェント機能の進化によって覆されました。

社内に眠る膨大なExcelやWordの資料も、適切なフォルダ配置と明確な命名ルール、そしてCopilotの組み合わせによって、強力な「即戦力アシスタント」へと生まれ変わります。複雑な商流や個別対応に追われるBtoB製造業の現場こそ、業務効率化とナレッジ共有を推進する業務支援AIの導入を試してみてはいかがでしょうか。

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